妊活イラストレーターの赤星ポテ子です。

先日、献本いただきました
ジャーナリスト・宮下洋一さんのご著書のご紹介になります。

第21回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品
卵子探しています 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて

宮下さんならではの取材に対する熱意と行動力、そして多国語を操れるの彼の類いまれな語学力がなければ完成することができなかった貴重な一冊です。

私自身、体外受精を何度も繰り返しても妊娠にいたらず、卵子提供を真剣に考えた時期がありました。

予備知識を入れるため、卵子提供や代理出産に関する本を読み漁る毎日でした。

日米の医療体制の違いや、日本国内のみの取材を通して書かれた本は今までにもありましたが、6ヶ国にもわたる世界の医療現場や治療経験者を取材した本は、恐らくこれが初めてだと思います。

各国の生殖医療に対する考え方の違いや、医療体制や社会保障の光と影を宮下さんならではの切り口で書かれています。

私は心のどこかで、日本が法制度が医療技術に追いついていないゆえ、受けたい医療技術が受けられないことのジレンマ
自分の意志が尊重され自己責任で自由に医療を受けられるアメリカに心のどこかで強い憧れを持っていたんだと思います。

いくら海外生活があり、養子に見慣れていたとはいえ、他国に比べ強い「血のつながり」に知らずうちに自分が執着していたこと
日本で治療を受けているからこそ得られていた恩恵に改めて気づかされました。

各国の不妊に対する考え方、そして卵子提供を通して子を持つこと、子どものことを考えるといくつになっても子を産んでもいいのか?
果たしてどんな形態のカップルでも子が欲しければ、子どもを持つ自由を得てもいいのか?
社会福祉制度の先進国スウェーデンの夫婦よりも治療を通じて生まれてくる子どもに重点をあてた制度は、日本だけではなく他の国々も学ぶ必要があると強く思いました。

宮下さん自身は、不妊治療経験者でもなく、医療関係者でもないという点で、フラットな視点で各国の不妊治療の現場が書かれています。

もう本当にタメになりすぎて、ドックイヤーだらけ…。
dogear

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