この本は一言でいうと…ガッカリでした。

アイコン | イラストレーター 赤星ポテ子みなさん、こんにちは。

妊活イラストレーターの赤星ポテ子(@akahoshi_poteco)です。

レビュープラスさんより、「血流がすべてを解決する」を本を頂き、漢方を勉強するために読んでみました。
 


著書について

堀江昭佳

漢方薬剤師/不妊カウンセラー

出雲大社参道で90年続く老舗漢方薬局の4 代目。
不妊相談では 9 割が病院での不妊治療がうまくいかず、来局されるケースであるものの、寄せられる妊娠報告は2015年だけでも155名、2009年以降の累計は614名に上る。
また、日本漢方薬膳協会の代表理事にも就任し、広く漢方薬膳の知識を広め、より多くの女性に幸せと笑顔を届けるために奮闘中。

予約の取れない漢方薬剤師の堀江さん。

まずプロフィールにある、不妊治療でうまくいかなかった人も多く妊娠にいたっているの箇所が、治療経験者として気になりました。

漢方薬局に限らずクリニックでも、人は妊娠しないとわざわざ妊娠報告はしません。

妊娠にいたらなかった人はそのままフェードアウトしていきます。

この累積数では、漢方の効果が不妊治療より高かったかどうか分かりません。

不妊治療をやめた後に漢方で自然妊娠できた人は、そもそも治療をするほどの重度不妊ではなかった場合も考えられます。

今どきのちゃんとした不妊治療専門クリニックなら、治療成績をネットで公開しています。

不妊治療でも妊娠できなかった人達ができたというなら、相談件数の母数に対して何割ぐらいが妊娠できたのか公表して欲しいものです。

体外受精までやらないと妊娠できないのが当たり前

不妊治療は治療方法(タイミング法、人工授精、体外受精)によって、妊娠率が大幅に変わります。

人工授精ですと、一周期にあたり成功率は5%、体外受精ですと15%ぐらいです。

子どもを授かった治療経験者のほどんどが体外受精を経て卒業にいたっています。

今まで100人以上の不妊症の方々とリアルでの交流がありますが、体外受精をしないで妊娠にいたっている人の割合は妊活卒業生全体でみると少ないです。

みなさん徐々に治療をステップアップしていき、体外受精を数回やって妊娠する方がほとんどで、人工授精までで何年も治療を踏みとどまっている人達は、卒業(出産)にまでたどり着けていません。(私のように重度の不妊の場合、体外受精を何回やっても卒業できない人達も勿論大勢います。)

一言で不妊治療でも授かれなかった人でも出来たという内容の表現は、そもそも体外受精まで至らなくても妊娠出来る可能性があった人達のことではと思ってしまい、本に載せるからには誤解のないように統計データが必要に思いました。

体外受精にて妊娠にいたらなかった女性が、その後に自然に妊娠する可能性は3割だと言われています。

「不妊治療を休んだときに妊娠するもんだよ」と進めて来る人もいますが、3割の数字を考えると、私のように体外受精を5回以上経験している人は、自然妊娠は可能性が非常に少ないといえるでしょう。

薬剤師という国家資格をお持ちの方なのに、全体的に根拠となるデータの引用が乏しく、主観で書かれた本と感じさせる本でした。

血流にしぼって書かれているため、全体的にわかりやすく読みやすいので、「そうかすべて血流を治せばなんとなるんだ」とサラっと流されてしまう人はいるとは思いました。

「漢方の考え方=全て正しい」の考えを元にすべて血流に結びつけて話が進行しているので、漢方好きの方や、体外受精を躊躇している人にとっては、「漢方を飲めば妊娠できる」と淡い期待を持てる読み心地よい本でだと思いました。

漢方に大金を使うなら、不妊治療にお金を使おう

なぜこんなにいろいろと厳しく批判してしまったかというと、漢方貧乏になってしまっている妊活仲間も多いからです。

ただでさえお金がかかる治療なのに、少しでも妊娠率を上げるために漢方に毎月何万も払って、体外受精に挑戦できないまま漢方のやめどきを決められない人を見てきたからです。

漢方がダメとはいいませんが、なんでも漢方の考えが正しいと話を持っていくことに内容に違和感を覚えました。

子作りで悩んでいる方は血流について学ぶよりまず先に「不妊治療を考えたら読む本」を読んでください。とってもタメになります。

よろ子宮

※こちらの本はレビュープラスさんから頂きました。

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